人生の待ち時間
世の中では『晩婚化』なんて言われているけど、残念ながら私の周囲では当てはまらなかった。
私の数少ない友達、職場の同僚、みんな二十代半ばくらいまでには、次々と結婚していった。
マリコも、大学の時から付き合っていた同い年の彼氏と入社四年目に入籍した。
「今しないと、ヤツとは結婚できない気がする」
と、言っていた。そういう結婚の“タイミング”が、私とタカくんにもいつかくるのだろうか?……来てほしいな……
披露宴に出席するたび、『子どもは二人はほしい』、『二十代のうちに最初の出産はしたい』等々、自分の結婚に対する理想というか、希望みたいなものはタカくんに伝えていた。できるだけ、さりげなく。
タカくんは、うんうんと相槌を打ってくれていたけど……
マリコが結婚をした年、私は転職をした。母の友人の会社の事務を頼まれたのだ。
以前は通勤に車で三十分以上かかったが、新しい職場は車だと五分もかからない。
普段はいいのだが、冬場、雪が積もった後の車通勤は大変だった。通常の倍くらい、通勤時間がかかった。運悪く、入社二年目と三年目が雪の多い年で、私はすっかり雪に疲弊してしまったのだ。
というのが、一番の理由で。実はもう一つ、裏の理由があった。
仲がいいマリコが結婚をして、会社で「次はアイちゃんの番だな」なんて言われるようになった。