人生の待ち時間
でも……『責任』や『けじめ』で結婚されても、私は嬉しくない。タカくんが心から「アイと結婚したい」と思った時じゃないと、結局うまくいかない気がした。
男と女では、同じ年齢でも感じ方は違うと思う。女なら「もう三十」だけど、男の人なら「まだ三十」だろう。
不安に思う部分はあるが、タカくんからのプロポーズを待とうと決めた。それまでに別れてしまったのなら、タカくんと私は、その程度の縁だったのだろう……
開き直った事で、少しだけ気持ちが楽になっていた。
──そして現在、タカくんと付き合って七年目、私は二十八才になっている。
ここに至るまで、二度ほどタカくんと別れようと思った。
連絡は主に私からしていたので、まずはそれを減らしていく。すると、当然会う回数も減る。そうして、さよならをすれば、お互いに深く傷つく事もなくすんなりと別れられると思った。
予想外に、それは二度ともできなかった。そういう時に限って、タカくんからまめに連絡がくるのだ。
「なんとなく声が聞きたくなって」、「今度グルメイベントがあるから行こう」等々。何かを感じてくれたのかと期待してみたが、タカくんの態度はいつも通り。嫌いになった訳じゃないから、顔を見ると、別れの言葉なんて出てこない。
こんな感じで大きな変化のないまま、月日ばかりが過ぎていた。