君の声が聞きたい
「白石さん?」

「えっ………?」

待って………っ!!
頭の中で必死に解析した。
彼の名前を。
誰だっけ?
何で思い出せないんだろう………?

『琴音さん』

何………この記憶?
昔のかな?
でも今はそれどころじゃない!
彼の名前が思い出せない!!

「隼人ー!」

「おぉ!熱治ったのか?」

「あぁ!お見舞いに来てくれてありがとな〜」

隼人………?
隼人隼人隼人隼人隼人隼人ーーーっ?!

そんな人、うちのクラスにいたかな?
でもここにいるんだよね。
じゃあ何で思い出せないんだろう?

「白石さん!!」

「あっ、はい?」

考え事をしてる最中に誰かが私を呼んだ。
仕方ないから一旦、考えるのはやめて私を呼んだ人の方を見た。

「おはよう、白石さん!俺のことわかる?」

不安と緊張で少し声が小さくて聞き取りにくいが何とか聞くとることができた。

「あっ、はい。わかります………よ?」

同じクラスの若林康平君。
成績は中の上。
運動は得意で裁縫は苦手。
でも何で聞いてくるんだろう?

「よかった!じゃあ、こいつの名前はわかる?」

「っ!!」

ヤバい!!考えてたんだった!
わからない。
なんて言えない。
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