君の声が聞きたい
「ありがとう、きいな。心配かけてごめんね?でも、大丈夫だよ!」

「本当………?」

「本当だよ!!」

私は笑顔を作った。
きいなを安心させるために。

「きいな、もう少しで朝食だから行こうか」

「うん!」

大丈夫………だよね?
あの夢にうなされてたのかもしれないけど。
今日だけだよね?

「今日もありがとうございます」

「行ってらっしゃいませ、琴音お嬢様」

朝食は少ししか食べれなかった。
あの夢の後だったからか。
そんなにお腹がすいていなかった。

「はぁ………」

いけない!!
お父様からため息をついてはいけないって言われてたんだ!!

「どうしたらいいんだろう………」

あの夢を見たくない。
けど………。

『琴音………っ!』

あの声の主が気になる。
誰が私の名前を呼んでいるの?
最近は見なかったのに………。
どうして………。

「白石さん、おっはよー!!」

「あっ、神木君!おはようございます」

「白石さんはよー」

「若林君、おはようございます」

朝から二人で登校か。
本当に仲いいんだな………。
ちょっとだけ、うらやましいな。

「白石さん!」

「はい?」

「一緒に教室に行こうよ!」

「えっ?!でもお邪魔じゃないですか?」

二人は友達で仲いいのに。
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