愛しい女(ヒト)
「俺の? ………郁哉 何か杏さんに言ったのかな?」


郁哉が話したのなら、杏さんの話は彼女の話で間違いないだろうなぁ。


そう思い、視界に入っていた郁哉の方へ視線を向けると、苦笑いしながら思いっきり目を反らしやがった。


郁哉。覚えてろよ!





「………で?郁哉から何を聞いたのかな?」


杏さんに向き直しそう聞くと、


「香保のこと気になってる………とか?」


「香保?」


「この子のことです。」


そう言ってスマホを見せてきた。
見ると、杏さんと一緒に写っている笑顔の彼女がいた。


「彼女の名前は香保って言うんだ。」


「知らなかったんですか?」


「ああ。まだしっかり話したことないからね。」


そう話ながら、自分のヘタレさが情けなかった。

「香保のこと本気ですか?」


杏さんが真剣な表情で俺に聞いてくる。


「そうだね。もう一度会いたい。とか彼女の事を知りたい。と思う位にはね」


俺はそう答えていた。
いくら一目惚れをしたからといっても、ただそれだけだ。

彼女の事を何も知らないのに、好きだ。と答えるのは軽いような気がした。
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