幸せな結末
「幸せにする権利も、幸せになる権利も生きている限りあるんですよ。私たち。少しでも後悔のない時間を大切な人と作っていく権利があるんですよ。」
理恵はまっすぐに樹を見た。
「理恵さんは人生、後悔しませんか?いつなにが起きるかわからない人生。後悔しませんか?誰かのために我慢していませんか?その我慢は本当に誰かのためですか?」
樹の言葉が理恵の心に響いた。
まっすぐに心の奥に響いた。

きっと朝陽は子供がいなくてもいいと本心で思っている。湊を通してでも今も自分を支えてくれているように、自分のことを無条件で愛してくれる。朝陽は自分に嘘はつかない。うそをつけない。なのになぜ自分は朝陽を疑ってばかりいたのだろう・・・。
離婚したのは自分で自分が許せなかったからだ。きっと、朝陽を疑ったのだって自分自身を許せなくて自信がなくて・・・それで・・・。



でもまだ、間に合うだろうか・・・。
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