幸せな結末
理恵が病院の名前を伝えると朝陽は『すぐ行くから。待ってて』と電話を切った。

電話を切って10分ほどで朝陽が病院についた。

スーツ姿の朝陽を見てすぐに駆けつけてくれてことがうれしくて理恵は駆け寄る。
「ごめんね。つかれてるのに」
理恵の言葉に朝陽は謝るなという視線を向ける。
二人はロビーに座った。
「緊張してる?」
朝陽の言葉に理恵は小さく頷く。
「そっか。」
「私・・・樹さんと湊の赤ちゃんが生まれた時、素直に喜べるかな。」
「・・・。」
理恵がふともらした言葉に朝陽が理恵の肩を抱き寄せた。
それ以上何も言葉を交わさなくても理恵が言いたいことも考えていることも朝陽はわかっている。

二人はそれ以上言葉を交わさないままその時を待った。
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