幸せな結末
朝陽はその決断を理恵がくだすまでは何も言わなかった。ただ隣に寄り添っていてくれた。
そして理恵が決断をすると、なにもいわず理恵を抱きしめた。

まるでそれでいいのだと言っているかのように朝陽は優しく微笑みながら理恵を抱きしめ続けた。



「和田さん、急患です。25週の妊婦。駅の階段からの転落で胎盤剥離を起こしています。あと5分で着きます。」
理恵は緊急の連絡にすぐにオペ室に向かった。
患者の情報が次々に救急隊員から入ってくる。その一つ一つをメモに残しながら理恵はオペの準備を始めた。
「外科も一緒に処置します。」
そこに朝陽も来た。
目を合わせて二人は目で合図する。
絶対に助ける。二人の想いは同じだ。
< 214 / 280 >

この作品をシェア

pagetop