幸せな結末
「いろいろあったもんね」
「うん。」
過去を思い出しながら二人が庭で遊ぶ四人を見る。
「理恵さんは?体調どう?」
「やっと落ち着いたかな。今回は初期から切迫流産になったり、後期に入ってもマイナートラブルが多くて朝陽も心配させちゃったけど。」
「予定日、もうすぐだっけ?」
「うん。ごめんね。私もちょうど体調が整わなくて、今回は手伝いに行けなくて。」
理恵が樹の方を見る。
樹はふと理恵の大きなお腹を撫でる。
「とんでもない。理恵さんも大変な時だったから。赤ちゃん、今度は女の子?」
「たぶん。朝陽が言うにはね。ドクターには聞いてないから。私にも女の子に見えたし。」
「二人が言うなら間違いないね。」
「たぶんね。」
理恵が自分のお腹をさする。
「朝陽が女の子の名前を付けるって張り切ってて、今から心配。溺愛しちゃいそうで。」
「うちも女の子みたいなの。」
「本当に!?」
「うん」
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