幸せな結末
体を重ねているとき理恵は泣きそうなのを必死でこらえた。

こんなにも愛おしくてこんなにも大切な存在を自分がないがしろしにしてしまっていたんじゃないかと思うと後悔ばかりが押し寄せる。

毎日仕事を頑張れていたのは朝陽が支えてくれていたからだ。

失いたくないという想いと、まだ間に合ってほしいという想いで朝陽のぬくもりを求めた。

朝陽はそんな理恵の気持ちに気づいている。
そっと頬に触れて理恵の必死にこらえている見えない涙を拭いながら理恵を抱きしめた。




抱きしめあったまま二人は温かい夜を越えた。
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