【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
さて、と一臣さんが顔の前で両手を打ち鳴らす。
「これでひとまず片づいた。金曜だし、早く帰るつもりなんだ。きみは?」
「いつもどおりです」
「じゃあ仕事が終わったら、俺につきあってくれ」
「はい。食事ですか?」
お店を探しておきましょうか、と申し出た私に、彼は「食事もだが」と言い、はにかんだように笑った。
「デートがしたい」
私たちの結婚が、お互いの親を苦しめはしないとわかったあとも、私は一臣さんのマンションに戻ってはいなかった。
彼も戻ってきたらと口にすることはなかった。
なんとなくふたりとも、改めて段階を踏みたいと思ったのだ。
『よかったら帰りに、食事でも』
妙に照れくさそうに、一臣さんが誘いの言葉を口にするたび、ひとつ屋根の下で暮らしていた期間があったなんて嘘のように、私も恥ずかしさをこらえ、『はい』なんて応じる。
こういう時間を、なんて呼ぶんだろう。
「すみません、お待たせしました!」
はやばやと一緒に会社を出るのも人目を引くので、会社近くのカフェで待ちあわせることにした。
思わぬ調整事項に巻きこまれてしまい、彼が会社を出てから遅れること30分。カフェに駆けこんだ私を、コーヒー片手にくつろいでいた彼が笑顔で迎えた。
「お疲れ」
「ごめんなさい、もっとはやく出るつもりだったのに」
「本を読んでたから、一瞬だったよ。トラブルがあったわけではない?」
「大丈夫です。行きましょう」
一臣さんが、カップを返却口に戻しながら、「その行き先なんだが」と持っていたパンフレットを私に渡した。
「とくにプランがあるわけじゃなかったから、どこへ行こうかなと思ってたら、ちょうど通りでもらったんだ。おもしろそうかなと思って。どう?」
ハガキサイズのパンフレット、近くの公園で行われているワインフェスタのものだった。近隣の店も、フェスタに合わせて特別メニューを出したりするらしい。
「これでひとまず片づいた。金曜だし、早く帰るつもりなんだ。きみは?」
「いつもどおりです」
「じゃあ仕事が終わったら、俺につきあってくれ」
「はい。食事ですか?」
お店を探しておきましょうか、と申し出た私に、彼は「食事もだが」と言い、はにかんだように笑った。
「デートがしたい」
私たちの結婚が、お互いの親を苦しめはしないとわかったあとも、私は一臣さんのマンションに戻ってはいなかった。
彼も戻ってきたらと口にすることはなかった。
なんとなくふたりとも、改めて段階を踏みたいと思ったのだ。
『よかったら帰りに、食事でも』
妙に照れくさそうに、一臣さんが誘いの言葉を口にするたび、ひとつ屋根の下で暮らしていた期間があったなんて嘘のように、私も恥ずかしさをこらえ、『はい』なんて応じる。
こういう時間を、なんて呼ぶんだろう。
「すみません、お待たせしました!」
はやばやと一緒に会社を出るのも人目を引くので、会社近くのカフェで待ちあわせることにした。
思わぬ調整事項に巻きこまれてしまい、彼が会社を出てから遅れること30分。カフェに駆けこんだ私を、コーヒー片手にくつろいでいた彼が笑顔で迎えた。
「お疲れ」
「ごめんなさい、もっとはやく出るつもりだったのに」
「本を読んでたから、一瞬だったよ。トラブルがあったわけではない?」
「大丈夫です。行きましょう」
一臣さんが、カップを返却口に戻しながら、「その行き先なんだが」と持っていたパンフレットを私に渡した。
「とくにプランがあるわけじゃなかったから、どこへ行こうかなと思ってたら、ちょうど通りでもらったんだ。おもしろそうかなと思って。どう?」
ハガキサイズのパンフレット、近くの公園で行われているワインフェスタのものだった。近隣の店も、フェスタに合わせて特別メニューを出したりするらしい。