【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
私たちは席を立ち、片づけもそこそこにバスルームへ向かった。
廊下を歩きながらキスをする。足が絡まって転びそうになるたび、ふたりで吹き出す。
はい、一臣さん、私も。
こんな朝を、何度でも迎えたい。

「左藤さん! 秋コスメどれ狙います!? ご予算はいかほど!?」
翌週、カフェで待ちあわせた福原さんは、いつもどおり元気だった。
「まだ夏も本格化してませんが……」
「そういうものなんですよ。ファッションショーだってよくわからない時期にやってるでしょ。って、あれー!?」
向かいの席に座りかけた彼女が、身を乗り出して私の左手をわしづかみにする。さすが目ざとい。
「彼氏ですか? もしかして結婚!?」
言ってから自分の大声に気づいたようで、ぱっと口を手で覆い、なぜか私に向かってしーっと指を立てる。私は私で、同じことをした。
「まだ詳しくは言えないんですけど、言えるときが来たら、真っ先に福原さんにお教えします」
「わかりました! なんとなく想像つかなくもないですけど、触れません!」
「ありがたいです」
言えないなら会社に指輪をつけてくるなという話なんだけれど、せっかくもらったのだからつけたい。それに、一臣さんが『つけていてほしい』と言うのだ。
「いいですねえ……近々、人妻になった左藤さんを拝めると……あっこれ、秋コスメの案内です。私だいたいどのブランドもメンバーなんで」
うっとりと言ってから、福原さんははっと我に返り、DMの束のようなものをどさっとテーブルに置いた。すごい量だ。
あちこちにチェックマークがついていたり、同時に廃盤になるもののメモなどが書かれていたりする。
「思っていたんですが、福原さん、コアプラザのコアになってみたらどうでしょう? 私、フォローします」
「えっ、それってあれですよね、アドバイザーみたいな」
「ええ。完全にオープンではないスペースで、福原さんの望むように情報を発信していただければ」
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