「悪」が似合わない君と。



「ああ。その覚悟はあるよ」

リュードーさんの表情に迷いはなかった

「…私もです。」

そして私にも


「それでもお前を離したくないんだ」

「…私も、です」


リュードーさんは私の肩から手を離し真っ正面で向き合う

そして


「俺と付き合ってください」


真剣に熱く、私の目を見てそう言った

答えなんて決まってる

きっとこんな恋、二度とできない

何が待っていたって…乗り越えて見せる


「はい!よろしくお願いします!」


思わずリュードーさんに抱きついた

再び広がるリュードーさんの匂いと温もり


「幸せ…」


思わず言葉がこぼれた


リュードーさんは私の背中に手を回しくるっと回った

私の体もふわっと浮いてクルッと回る


「ふふ…私、お姫様みたいです」


笑みが溢れる


「…っお前さ…本当そう言うのよくないと思う」


へ?

リュードーさんはぐっと上を向いていた


「可愛すぎて…理性飛ぶ」


リセイトブ?

その体制から溢れた言葉に首を傾げる

するとリュードーさんの片目が私を捉えた

思わずどきっとする


「襲うぞってこと」


な、な、な、な!!

なに言ってんのこの人!!!

きっとその瞬間私の顔は赤色へと変色した


「ふふ、顔赤くね?」


誰のせいだと!!


「っっ!ばか!」


ボカッと肩を叩いてやった


「美花」


不意に名前を呼ばれて顔を上げた


その瞬間奪われた唇


短いようで長い時間が過ぎた。


「3回目ですね…」


は、恥ずかしいのも入ってるけどその回数


「お前の1回目のには流石に驚いたよ」


う、それに触れるなよ


「もう…あの頃にはベタ惚れだったので!」


やけくそになって言ってやった


「ふーん、一緒だな」


え?


「俺も結構長いよ」


またまた見たこともない新しい表情で私を見る

なんだ…じゃあ私たち


「少し遠回りしましたね」


「…でも、その成果がこれなら悪くないな」


歯を見せてニカッと笑った

素敵だなその笑顔


「それもそうですね!」


私も同じように笑った

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