「悪」が似合わない君と。



しばらくの間私たちは誰もいない教室で抱き合っていた。


思い返すと恥ずかしくなってきた


勝手に失恋と勘違いして泣き喚き、しまいには大好きとか言ってる


「トン…、美花」




リュードさんは私から体を離し肩を持って目を見た

少し間を置いてから真剣な表情を見せた



「俺はさ、知っての通り普通の男子高校生とはちょっと違うんだよ。
日常的に喧嘩もするし、暴力沙汰なんて茶飯事。俺のせいでお前が傷つくこともあるかもしれない。
でも俺は全力でお前を守るし、誰にも渡さないつもりだ。

それでも…俺と一緒にいてくれるか?」



リュードーさんの瞳は震えているように見えた

真剣で強い眼差しの奥に…なんだろう

弱い、怖いと言った淡い気持ちが見える

でもそれ以上に私をとらえる真っ直ぐな目に…私の心は鷲掴みだった

リュードーさんを見て、自分の気持ちを精一杯込めた目を向け、言葉を選ぶ



「私はね、知っての通り普通の高校生じゃないんです。
モデルを続ける中でいつかリュードーさんにも迷惑がかかる時が来るかも知れません。
世間の目だってあるし、思い通りにならないことの方が多いです。

それでも…私はあなたと一緒にいたいので…えっと
こんな私でもいいですか?」


精一杯、一言一言を話した



私たちは普通の高校生みたいな恋愛はできないかもしれない

喧嘩番長とモデル

なかなか噛み合わないであろう二人が出会い

恋に落ちた。


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