庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「結婚はしてるの?」
「いや、まだ」
「彼女は? 東京って綺麗な子ばっかりでしょー」
 
 そんな話はどうでもいい。とにかく俺は椎花の元へ行きたいんだ。

「千晃様、絶対向こうでもモテるでしょー」
「そんなことないよ」
「嘘だー」

 そわそわしていると、ふとどこからともなく聞こえてきた男の声が気になった。

「あの子大丈夫かな」
「あー、今ベンチで寝ていた子?」

 しゃべりながら、喫煙所の方から帰ってくる二人組の男。確か桜太の野球部仲間。

「嬉しくて酔っぱらっちゃったのかもね」
「着物のまま、誰かにお持ち帰りされなきゃいいけど」

 着物? もしかして椎花?

「ごめん、ちょっと俺行くから」

 彼女たちをかき分け、男たちとすれ違うように喫煙所にの方へ向かう。あいつ酒なんて飲めたのか? しかも寝ているって、どういうことだ。

 喫煙所のあるロビーに着き辺を見回すと、隅の方にベンチ椅子があるのが見えた。

 それとそこにうなだれる様にしている着物姿の女性。やっぱり、椎花だ。

 走って彼女の元へ向かう。すると他にも椎花をチラチラ見る男や、話かけている酔っ払いがいて、俺は慌ててそれから奪うように彼女を抱き寄せた。

「椎花、おい」
「んーっ」
「大丈夫か?」

 そう言うも、全く起きない。しかもかなり酒臭い。披露宴の最中に飲まされたな。



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