妹ズクシッ
 2時間後、
「兄さん、宿題終わらせてきましたよ!」
「やけに時間かかったんだな」
 それにしても、また愛《マスターキー》を使って入ってきやがった。
「宿題をしようと思って引き出しを開けたら、兄さんの写真を見つけてしまって……ぐへへしてました♡」
「ぐへへってなんだよ」
「そこ、聞いちゃいます?」
「いや、遠慮しとく」
「えぇ!?聞いてくださいよぉ」
「ご飯できたぞ」
 擦り寄ってくる実妹を無視してお椀に味噌汁を入れる。
「陽、私もやること終わらしてきた」
「雪乃もか、ちょうどご飯できたとこだ」
「今日は7つほど、ブログを炎上させてきた」
「この2時間で7つも!?」
「うん。あんなパリピみたいなやつら、ブログ炎上して、そのまま目玉も自然発火で炎上してしまえばいい」
「怖っ!?」
 一体、パリピになんの恨みがあるんだろうか。
 うちの義妹が病みかわいい。
「ほら、椅子に座れ」
「「はぁい」」
 既に座っている夏と、凛と雪乃が座ったのを確認して、陽は人数分の箸を持って椅子に座る。
 全員が箸を持ったところで、
「いただきます」
「「「いただきます」」」
 俺は味噌汁を飲み込んだ。
「温かいなぁ」

 これが俺の日常だ。
 美少女妹たちに囲まれて、楽しく暮らしている。
 妹たちはみんな俺を好いてくれておるし、俺も妹たちが大好きだ。
 だからこそ、俺はいくら10年会えなかった妹でも、日本人離れしたかわいい妹でも、魅力的な体形の純粋な妹でも、決して手を出してはいけないのだ。
 俺は耐えなければならない、妹たちの誘惑を。
 ずっとこの幸せな日常が続くためにも。
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