特殊探偵世界係!!
「……ここね……」

泉の目の前に、バラの花が咲き乱れる庭の大きな屋敷が現れる。泉は少し緊張しながらドアをノックした。

しばらくすると、高そうな青いベストを着た男性が現れる。泉はぺこりとお辞儀をした。

「今日からメイドとして参りました。世良桜と申します。どうぞよろしくお願い致します」

顔を上げ、男性と握手をする。この人が今日から泉が調査をする人間だ。

「私の名前は、ライサンダー・イーノック。この屋敷は広くて大変かもしれないが、頑張ってくれ」

「はい、誠心誠意努めます」

ライサンダーの屋敷にたまたまメイドを募集しているのを小百合が見つけ、学校がある日は放課後限定で泉はメイドをすることになったのだ。

早速泉は部屋に案内され、服を着替える。初めてのメイド服に泉はドキドキした。本場のメイド服は、スカートの丈が長くとてもシンプルだ。しかし、泉はメイド服を一目で気に入った。

「屋敷には使っていない部屋もある。そこは掃除はしなくていい。とりあえず、二階の掃除を頼む」

ほうきなどの掃除道具を手に、泉は二階へとライサンダーに案内される。こんなにも大きな屋敷だというのに、不思議なことにメイドなどはいない。この家で働いているのは、泉だけだ。
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