明日は明日の恋をする
「海の中でコーラを洗い流してきたらどうですか?」

「あぁ、そうしようかな。高瀬、もちろん付き合うよな?」

進藤さんは服を脱ぎ水着になる。

そういえば私は服を脱がされた事はあるが、進藤さんはいつも服を着ているし、今回初めて進藤さんの身体を見るかも。引き締まった身体を見ながら私は顔を赤くする。

「少しの間ここお願いね、明日香ちゃん。」

高瀬さんも水着姿になると、半ば強引に連れて行かれた。私は手を振って見送る。

「ふふふ、あんなに楽しそうな進藤さんを見るのは初めてですわ。」

「楽しそう…ですか。」

美玲さんは海に向かった2人を見ながら微笑む。そうか今、美玲さんと2人きりだ。何か緊張してしまう。

「進藤さんと高瀬さんは良いコンビですわね。でも…少し妬けちゃいますわ。私といる時にはあんな表情見せてくれませんし。あっ、今の話はお2人には内緒にして下さいね。」

「はい。」

2人で顔を見合わせてクスクス笑う。そうか、美玲さんは進藤さんと高瀬さんが高校からの付き合いなのを知らないんだ。

「……美玲さんから見て、進藤社長はどんな方ですか?」

「進藤さんですか…そうですね、一言で言うと完璧な方…かしら。仕事もでき、人望もあり、紳士的で…完璧過ぎて隙がないって感じですわ。それにお顔も素敵ですしね。お祖父様も進藤さんの事お気に入りなのですよ。有栖川財閥の次期社長として認めてますの。」

有栖川財閥の次期社長…。私とは次元が違い過ぎる。それにしても、美玲さんの表情から進藤さんの事が好きなのがよく分かった。

「あ、焼きそば食べましょう。どうぞ。」

買ってきた焼きそばを美玲さんに渡す。美玲さんは少し躊躇していたが、私が食べているのを見て、恐る恐る焼きそばを口にした。

「…まぁ美味しい。」
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