明日は明日の恋をする
しばらくしてから進藤さんからLINEが届いた。

『悪い、食事してくる。』

『分かりました。』

私は一言返信をすると、ソファーの上に転がる。進藤さんが美玲さんと会っているのに、意外と冷静な自分がいる。いや、冷静を装っているだけか…。しばらくボーっと天井を眺めていた。

「…ご飯たべよっと。」

1人分の食事を準備して黙々と食べた。1人ご飯なんてよくある事なのに、何だか寂しい。

PM 22時 ーー

進藤さんが帰ってきた。私は駆け足で玄関へ向かう。

「おかえりなさい。」

「あぁ、ただいま。少し仕事が残っているから後で部屋にコーヒー持ってきてくれるか?」

「はい。」

帰ってきた早々仕事か。進藤さんはそのまま部屋に入っていった。そして部屋に入るのを見届け少し思った。

なんか今までと変わらないと思うのは気のせい?

それはさておき、しばらくしてコーヒーを持って進藤さんの部屋に行く。

ーー コンコン

「失礼します。コーヒーを持ってきました。」

部屋に入ると、PCの前に座って書類を手に持ち、眼鏡をかけた進藤さんが仕事をしている。邪魔しちゃいけないと思い、コーヒーを置き部屋を出ようとした。

「もう終わるからその辺に座ってろ。」

進藤さんから引き止められ部屋に残る。でも進藤さんの部屋って仕事用の机とベッドしかない。取り敢えずベッドにちょこんと座らせてもらおう。

「待たせたな。」

PCの電源を落とし、ベッドに座る私の隣に来た。私は何か期待している訳じゃないが、ドキドキしながら緊張している。

「お、お疲れ様です。」

「なぁ、俺に聞きたい事はないか?」

「え?聞きたい事…ですか?」

聞きたい事?

何の事だろう…。

進藤さんは私の顔を覗き込むように見てくる。
< 94 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop