Forever City.




着慣れない物を着ているせいか、そう言われてもなんだかソワソワしてしまう。するとクラルさんは、すぐに慣れるよ、と言ってくれた。

そのまま森の中を歩いていると、いつの間にかその森を抜けて、商店街へと出た。
道という道がない森の中で、良く迷わずに歩くことが出来るな…。さすが、街の案内人。




『 街案内の続きね。じゃあ、まず朝ご飯食べようか。 』




クラルさんはそう言うと、ニコニコしながら商店街の奥へと進んでいった。

ヒールのせいで歩きずらいな、なんてことを考えていると、風に揺れた髪に一羽の蝶が止まった。
宇宙のような黒い綺麗な色をしていて、思わず目を奪われてしまう。


すると、足を止めた私に気がついたのか、クラルさんが振り返って戻ってきた。




「 この子、可愛い…。 」

『 ふふ、ここは自然が沢山あるからね。心配しなくても、毎日会えるから大丈夫だよ。 』




蝶が飛んでいってしまわないように髪を持っていると、クラルさんがそう言ったと同時に、蝶は飛んでいってしまった。
まるで、星のように羽をキラキラ輝かせて飛んでいく蝶を見つめていると、クラルさんは『 ほら、行くよ。 』と、私の手を引く。

それにしても、この街って本当に広いんだな…。まだ少ししか案内されてないのにも関わらず、その一つ一つがとても大きく広い。


そのまま商店街の奥へ奥へと進むと、大きな建物が目の前に現れた。
木材でできた大きな建物には、樽や木箱が沢山置かれていて。
どこかの飲み屋さんかな?なんてことを考えていると、クラルさんが、お店の扉を開けた。

その瞬間、中から聴こえる陽気な音楽と、楽しそうな話し声。美味しそうなご飯の匂いや、微かにお酒の匂いもする。




[ おっ、いらっしゃーい! ]




店の奥から聞こえたのは、男の人の大きな声。
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