終着駅は愛する彼の腕の中

 途中で乗り換えてまた別の新幹線で、もっと北へ向かう。


「ちょっとお兄見てよ。この新幹線カッコいいよ」

 赤色でエクステリアデザインで、見ているとホッとさせられる新幹線。


 羽弥斗もかつて運転してた事があった。


「へぇー。久しぶりに見るけど、このデザインってなんか落ち着くね」

「お兄も運転していたの? 」

「短い期間だったけどね。この新幹線の終点は、すごい雪国で想像以上だったよ」

「雪国なんだ。じゃあ、もう雪降っているかな? 」

「そこまではまだだと思うよ。でも、寒くなっているとは思うよ」



 新幹線はもっと北へ。


 のどかな田んぼが広がった田舎の風景。

 そんな風景は、いつも都会でごちゃごちゃしている人を癒してくれる。

 
 羽弥斗の気持ちも少しだけ癒された。






 終点に着くと。


 都会とは違う、のんびりした雰囲気で人の動きも穏やかである。


「お父さん、ちょっと昔の友達に会ってくるから。羽弥斗とひまわりは、どこか観光しておいで」

「はーい」


 羽弥斗とひまわりは、駅にある観光案内所に向かった。



 瑠貴亜は駅前のカフェに向かった。



 カフェは沢山の人で賑わっている。

 だが田舎の人は、都会人に比べてのんびりしていて、ゆっくりお茶を楽しんでいるようだ。




「お待たせして、すみません」


 窓際に1人ポツンと座っている女性に、瑠貴亜は声をかけた。
< 28 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop