終着駅は愛する彼の腕の中
8 終着駅は愛がいっぱい

 晴天の空から暖かい日差しをいっぱい受けているお墓。


「お父さん、お母さん。・・・羽弥斗さんがね、城里の籍に入ってくれるって。よかったね」

 
 隣にいた羽弥斗が、そっとノエリに微笑んだ。


「これで、何も心配しなくていいね」


 そっとノエリの肩を抱く羽弥斗。


 ノエリはそっと微笑んだ。






 それから数日後。


 雑誌を見た人から陽子の居場所を突き止めた警察が、陽子を逮捕した報道が流れた。


 陽子の夫は1週間前に「心不全」で死亡していた。



 医師は死因がおかしいと気づき、警察に連絡していた。



 夫が亡くなる前の日に、陽子が来ていて付き添っていた。

 陽子が帰ったその直後に、夫は急死した。



 その事から医師は警察に司法解剖を依頼していた。


 陽子は夫が亡くなりまた多額の遺産を手に入れていた。


 が・・・


 夫の遺言で、陽子には遺留分のみ渡すと書いてある残りは全て国に寄付する事になった。


 陽子は逆上して弁護士に食ってかかっていた。


 しかし遺言が残されており、法律的にも遺留分しか陽子には渡らない事になり陽子が手にしたお金は300万相当だけだった。



 だが警察から逮捕状が来て、陽子はそのまま連れて行かれた。

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