終着駅は愛する彼の腕の中
「・・・10憶なんて、用意できるわけない・・・。期待なんて、する必要ない・・・」

 
 そう言って、エイミは鞄を投げた。


 投げられた鞄から、封筒が出て来た。



 エイミは封筒を手に取り、じっと見つめた。


(これは、今日の君のお給料。これだけあれば、3日働かなくても全く困らないだろう? )


 そう言って、羽弥斗が渡してくれた封筒。


 エイミが封筒の中を見ると、1万札が10枚ほど入っている。


 いくら風俗店で働いても、1日で10万円稼ぐには、どれだけのお客をとらなくてはならないだろう。

 お客が3万円払ったとしても、店側が2万円は持って行ってしまって、働く女性には1万円渡されればいいくらいだ。

 10人のお客を取れれば10万円は稼げる。

 でもその為には・・・


 
 エイミはギュッと肩を抱いた。


 3日後。

 羽弥斗が10憶を用意してくれなければ、今度はどんなお客と接待するのだろう?


 そう考えると、エイミはキュッと胸が痛んだ。




 
 部屋の灯りは薄暗く、日当たりも悪そうなアパートで、エイミはひっそりと暮らしてる。

 
 その理由は・・・。

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