溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
マンションを出たところで、メール着信音。ん、イヤな予感。

“ごめん。急患で行けそうにない。“一平からだ。

”了解。その確率高いと思ってた”と返信。

仕方ないな。医師をしていると日常茶飯事。
医師の友人以外とはジワジワと疎遠になる。
彼女とか期待されるとだんだんに面倒で、近年は特別な子をつくってないな。

男友達で医師同士、約束反故にしても恨みっこ無しが気楽だ。

さて、せっかくだし一人でご飯いくか。



マンションを出て3分。

前方から歩いて来る女性。見覚えがある。
けど。メガネが違うな。黒縁だ。
でも、やっぱり似ている。

小さな小型犬を連れた彼女、地味だけど凛としていて歩く姿も
綺麗で、服装もジーンズ姿にヒールと普段着なんだけど、
目を惹く。


もう一度、会ってみたかった彼女が目の前にいる。
通り過ぎるなんて出来ないぞ。
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