溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
二人の道(亮side)
無事に結婚式が終わった。
玲奈はお姫様になれたみたいで幸せだったと言っていたけど、
結婚式当日の玲奈はまさにお姫様というか女王様で一生傅く(かしず)だろうと
思った。
キレイだったなあ。結婚式、披露宴ともに美男美女とお褒めのお言葉を頂き、
結婚式イベントに出演依頼まで来るほどだった。
もちろん、丁重にお断りしたけど。

結婚して、以前よりもお互いが心地いいと感じる環境や距離感などを
掴めるようになってきた。
玲奈も倒れてから、少しずつ家事分担する様になったし。


この可愛いお姫様が自分の妻かと思うと正直にやけてばかりだ。
オレの仕事も収束気味で動いていて、移住の準備で家にいることも多い。
それは玲奈も同じで、お互いを迎えに行ったり、デートしたりする時間が増えた。
移住後は忙しくなることが予測されるので、今は二人の時間を大事にしている。
出会って結婚まで長い時間はかからなかった。
その分、お互いに知らないことも多い。

今日はドライブに来た。
そう、初めてドライブして一緒に来た海岸だ。

「ここって…。はじめて…。」

「そう、一緒に来た海。オレが人生で初告白したところ。」

「うん。ここから始まったんだね…。出会いが衝撃的だったよね。
大事故で、でもあの時、 私一人だったら患者さん助けられなかった、きっと。
すごく、心強かった感じ、今も覚えてる。」

「おれも。事故なんて遭遇することなかったし。でも、もう一度再会したかったから、
近所を目の前歩いててびっくりした。でも、オレの中で絶対このチャンスを逃すなって
いうサインが働いて…。必死だったよな、あの時。」

「そうかな?ちょっと警戒したけど…。
でも、事故現場で必死に救助する人に悪い人はいないでしょ?
飲みに誘われても、あの時の連帯感で、同士みたいな。」

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