偶然が続けば必然です!? 年下彼氏の包囲網
4章
〇オフィス・フロア(昼)

歓迎会から数日後。
ノアはすっかり周囲に馴染んでいた。

琴葉「それじゃ、この件については今、伝えた通りで」
社員一同「はーい」

簡単な打ち合わせを終え、解散する。
ノアは他の社員から声をかけられ、和気藹々とした雰囲気。

琴葉(やっぱり、私が心配することなかったな。なんだかんだ男女問わず可愛がられてるみたいだし……)

書類の整理をしながら様子を見る琴葉。

琴葉(……とはいえ)
女性1「ノアくんってイギリスではどういう生活してたの?」
女性2「イギリスの人って雨でも傘をささないって本当?」

ノアを取り囲んで仕事とは関係ない話題で盛り上がる女性たち。

琴葉(仕事以外の話題を多すぎる……)
琴葉(はあ……)

書類をまとめた琴葉は、ノアたちの横を通りながら注意する。

琴葉「その話、仕事が終わった後でいいでしょう?」
女性1「はーい、すみませんでしたー」

立ち去る琴葉。
それを見送る女性たちとノア。

女性1「ちょっと話してただけなのにねー」
女性2「本条さんって本当に怖いよね」

ひそひそ話をする女性たち。

ノア「――本条さんは優しいよ」
女性1「え?」
女性2「ノアくん?」

琴葉を追いかけるノア。

〇オフィス・会議室(昼)

次の会議のため、会議室に来た琴葉。
室内は使われたままで片付けがされていない。

琴葉「……前に使ったの誰よ」
琴葉(というか、書類忘れていってるし……これって……)
尾崎「あ! やっぱりここに忘れてたのか」

会議室に入ってくる男性(尾崎)。
琴葉が手に持っているものに気づいて近づいてくる。

琴葉「尾崎……。また、忘れたの?」
尾崎「悪い悪い」
琴葉「悪いと思ってないでしょ」
琴葉「というか、毎回言ってるけど使った後はちゃんと元に戻して」
尾崎「相変わらず細かいなー」
琴葉「あんたが大雑把なんでしょ」
尾崎「わかった、わかった。一緒に片付けるから」
ノア「それなら僕が手伝いますよ」
琴葉(え……)

ノアが会議室に姿を現す。

尾崎「……あ、もしかして噂の?」
琴葉「噂?」
尾崎「すげーイケメンが来たってこっちでも話題になってんの」
尾崎「マジでイケメンだった」
ノア「ノア=ハーヴィーです。よろしくお願いします」
尾崎「おお、よろしくな。で、ここ任せていいの?」
ノア「はい」
尾崎「じゃあ、任せた!」
琴葉「あ!」

立ち去る尾崎。

琴葉(……逃げられた)
ノア「あの人と仲良しなんですね?」
琴葉「仲良し? 尾崎と?」
ノア「うん」

心なしかしょんぼりとしているノア。
そんなノアの様子に悪いことをしたような気分になる。

琴葉「特別、仲が良いわけじゃないから。ただの同期」
ノア「じゃあ、恋人じゃない?」
琴葉「――っ!? 恋人!? ないない、有り得ない!」
琴葉(尾崎と恋人とか考えただけで無理)
ノア「……そっか、良かった」
琴葉「……っ」

ふにゃと笑うノアに再びときめく琴葉。

琴葉(やっぱり、この顔は小さい頃と同じだ)
琴葉(……可愛い)

無意識に可愛いと思ってしまってハッとする琴葉。

ノア「本条さん?」
琴葉「あっ、いや、なんでも……」

慌てて動き出す琴葉。
足元に落ちていた書類に気づかず、踏みそうになる。
それに気づくノア。

ノア「あ、待って!」
琴葉「え……きゃっ!」

書類を踏み、滑る琴葉。
バランスを崩し、倒れそうになったところでノアが抱き留めてくれる。

琴葉(……えっ、え……)
琴葉(抱き締められてる……!)
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