気づいて

••11年間


そう・・・ 
この伊織を私は大学の入学から
好きなのだ。
かれこれ11年・・・

その間に、不毛も止めようと
彼氏もつくってみた
だが、毎回
「莉央は、誰を想ってるの?」
と、振られてしまう。

だから、恋人になっても
数ヶ月で終わってしまう
もう、アラサーなのに。

それを知っている、
杏からは、「国宝級だよ。」
と、笑われていた。

むろん、杏は、
私が伊織を好きなことも
不毛な片想いを11年していることも
知っている。
「莉央、あなた美人なんだから
もう、あんなやつやめて
恋しなさいよ。
婚期逃すよ。」
と、お昼が一緒になった
杏に言われている。
「美人じゃないけど・・
はぁ、わかっているけど。」
「わかってないから
11年も片想いしてるんでしょ?
あんな優柔不断な奴を。」
「本当だよね。
なんかさ、一昨日お母さんから
電話あって、
お母さんの妹の洋子おばさんが
見合いの話し持ってきたから
しなさい!!
と、なぜか、怒りの電話きたの。
で、今度の日曜日に
その人とお見合いなんだよね。」
「あら、すごいじゃない。
どこのどなたなの?」
「それが、早田総合病院の医師だって。
年は、35才
仕事が忙しくて、出会いがないみたい。
それに病院関係者は、
嫌なんだってさ。
おばさん、この間、そこに入院した
みたいで、その話がわいたみたい。」
「へぇ、お医者様ね。
いいじゃない。
頑張ってみなさいよ。」
「そうだよね・・・はぁ・・」
ランチが終わる時間になり
私は先に受付に戻った。

受付は、三人だから
交代で休憩をとる。
誰かが休むときは、
中々休憩とれないけど。
< 2 / 51 >

この作品をシェア

pagetop