気づいて

••キスマーク


翌日、目を覚ました莉央は
自分が伊織のベッドに寝ていて
尚且つ、二人共 全裸で・・・
驚きを隠せなかったが
伊織を起こさないように
自分の衣類を取り
脱衣場で着替え
目覚ましをセットしてから
部屋を出た。

鍵は開けっ放しでも
伊織は男だから
心配ないが
心の中で、手をあわせて
部屋を後にした。

どうしょう、どうしょう・・

心の中で焦りながら
帰宅して
頭から冷水を浴びて
着替えをしてから
出社した。

制服に着替えて受付に入る
伊織に会わないように
気を付けながら
こそこそしていると
杏から
「莉央、あなた首にキスマーク
ついてるよ。いつ相手できたの?」
「えっ、嘘。」
と、首をおさえると
「取り敢えず、これで隠してきて
話は後で。」
と、言われてコーンシーラを
持たされて化粧室に
追いやられた。
本当についているキスマークを
コーンシーラで隠し
上からスカーフを巻いて
気持ちを落ち着けてから
受付に戻る

その頃には社員は、
全員出社を終えている時間で
助かったと言えば
助かった。

彩月も出社していて
「莉央さん、おはようございます。」
「あっ、彩月、おはよう。」
と、言って
「隠れてる?」
と、小声で杏にたずねると
杏は、無言で頷いたから
莉央は、ホッとしながら
仕事を始めた。
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