あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「フランスに行く前に颯馬が俺たちに頭を下げにきたんだよ」

圭吾はその時の様子を思い出したのかくつくつ笑いだした。

「必ずフランスで修行してコンテストで入賞して帰国するからそれまで杏に虫がつかないようにしてほしいって。
まっそんなの坂口と服部先生が認めるわけないよな」

うん、それは私にも想像がつく。
パパと隼人おじさんの私の可愛がりかたは尋常じゃない。

「でもあいつそれを説き伏せて認めさせたんだよ。二人に。

だからね?わかるだろ。
俺たちが杏と交代でデートするのは、恋人ができないようにって監視役なわけ。
まっアイツが帰国したから、この任務も今日で終わりだな」

圭吾の話に私は目をパチパチさせてそのまま固まった。

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