あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「こんな遅くにどうしたんです?

颯馬なら…疲れて店内で今仮眠とっています。
明日の朝一でウェディングケーキを仕上げて届けなくちゃいけないので。

ねぇ杏さん、颯馬を自由にしてもらえませんか?」

強い口調に

「えっ?」

おもわずひるんだ。

「どういう意味ですか?」

「そのままの意味ですよ。
今の彼に必要なのは一緒に隣に立ってともに目標にむかっていける人てすよね?

あなたじゃ颯馬の助けは何一つできない。

子供のころにおった火傷で彼をしばりつけないでよ!
責任感じて子供の頃からずっと彼はあなたと責任とって結婚するって決めてたって!

解放してあげてよ!

向こうでの三年間はずっと颯馬は自由だった。

こっちにいる間だけだって私たちはフランスでは愛し合ってた。」

「うそ、、、」


「嘘じゃないわよ?

あなたの左肩した辺りには火傷で移植した痕が残ってるんでしょ?

颯馬には右腕に。

服を脱がないとわからないところに
彼にも移植痕があるのよね?」

意味深な笑いに胸が痛む。

颯馬の火傷の痕は服を脱いでじっくり見ないとわからないほどの傷跡だ。

「これだけ言えばわかるわよね?

私たちの関係。

邪魔しないでよ!

私に颯馬を返して!

そのために私、帰国したの。

あなたの父親と交わした約束を果たすために結婚するって彼から連絡きたから。

颯馬をあなたに渡さないために日本にきたの。」

美桜さんが首もとに手を伸ばした。

< 116 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop