あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて

坂口先生は、友人の晒名先生に頼み、母はほどなくして晒名総合病院に転院し、俺を母の部屋に寝泊まりさせてくれた。

父が社長をつとめていた冴島製薬は、父がいなくなったことにより、すぐに叔父が社長に就任した。

じぃちゃんも叔父も、息子と兄が亡くなったことよりも会社が大事で、俺と母のことなんてまるで気に止めることもなくて、まだ中学生だった俺を助けてくれて力になってくれたのは坂口先生と晒名先生だった。

母が亡くなったのは、父の葬儀を終えた一月後。

目を覚ますことはなくそのまま静かに息をひきとった。
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