あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「どうして私…四つも年上なんだろ…。

颯馬を背伸びさせてせかしてる…」

気がつけば、こぼれ落ちた涙をパパの大きな手がぬぐい、そのては優しく頭を撫でた。

「はぁ。

昔から泣いたり笑ったり、颯馬の事となると、すぐに杏は感情的になるな」

苦笑いしながら頭を撫で続ける。

「颯馬が一人前になろうとしてるのは杏のためでもあるけど、男ならみんな思うことなんだよ。

それに、好きなら年上も年下も関係ないぞ。

もっとも、そんなことアイツは気にしたこともないだろうな。

杏だからすきなんだよ。

まぁ虎太朗の息子だから一途で一生懸命なのは仕方ない。

好きな女のために真っ直ぐに頑張って突っ走るのは、親の背中を見てるからな」

とクスクス笑った。

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