あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「会いたいって言えばいいじゃないですか」
前島さんは浮かない顔をしている私にそう言うが、今でも充分むりをしている颯馬に我が儘を言うわけにはいかない。
「言えないよ」
「坂口さん、甘えていいと思いますよ?
なんでそんなに我慢するんですか?
言いたいこともいえない関係なんですか?
気を使いすぎですよ」
「言えばいいじゃん。
俺なら好きなコに甘えられたら嬉しいけどな。
どんなに忙しくたって疲れてたって抱き締めに飛んでいくけどな」
不意に聞こえてきた声に振り向くと本田さんが爽やかな笑顔を浮かべ立っていた。
「みんなで飲みに行くから誘いにきたんだけどその様子だと参加は前島さんだけかな。
坂口さんは素直に甘えてくるべきかな。
ほら」
クスリと笑われたその視線の先には、正面玄関の前の歩道の街路樹にもたれかかる颯馬が立っていた。
前島さんは浮かない顔をしている私にそう言うが、今でも充分むりをしている颯馬に我が儘を言うわけにはいかない。
「言えないよ」
「坂口さん、甘えていいと思いますよ?
なんでそんなに我慢するんですか?
言いたいこともいえない関係なんですか?
気を使いすぎですよ」
「言えばいいじゃん。
俺なら好きなコに甘えられたら嬉しいけどな。
どんなに忙しくたって疲れてたって抱き締めに飛んでいくけどな」
不意に聞こえてきた声に振り向くと本田さんが爽やかな笑顔を浮かべ立っていた。
「みんなで飲みに行くから誘いにきたんだけどその様子だと参加は前島さんだけかな。
坂口さんは素直に甘えてくるべきかな。
ほら」
クスリと笑われたその視線の先には、正面玄関の前の歩道の街路樹にもたれかかる颯馬が立っていた。