あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「N社の社長令嬢との結婚はずいぶん前から決まっていてね。

社長に逆らえないアイツは君を諦めきれなくて、大人しく結婚する条件として愛人を囲うことを親にも先方にも認めさせたんだ。

その愛人が杏、君なんだよ」

「ど、うして、、、」

「うんと言わせるためには社長もアイツもきみの両親や君が大事にしている人たちに圧力をかける。

中川がいったように彼から仕事を奪うことも、晒名総合病院を乗っ取ることもやつらには簡単なことなんだよ。

ただし、愛人を迎えるにはタイムリミットがあってね、先方だって黙ってそんな条件をのみやしないさ。

それはご令嬢と正式に婚約発表をする日まで…つまり今日、君を納得させてご令嬢に紹介できなければこの話は白紙で、直哉は大人しくご令嬢とだけ結婚して他に女は作らないってね。」

「お金持ちの考えることってよくわからないです…」

恭一の話にため息がこぼれた。

< 95 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop