シュガーレスでお願いします!
「どう?」
“節度を持て”を実践しているとはいえ、今日ばかりは多少なりとも褒めてもらえないと頑張った甲斐がない。
ところが、待てど暮らせど慶太は何も言ってこない。
(え、似合ってないのか……?)
さすがに不安になり、うつむいていた顔を上げ、慶太を上目遣いで見つめる。
しかし、慶太は視線を泳がせたうえに、私を直視しないように顔を背けたのだった。
「慶太?」
不審に思って背けられた顔の正面に回り込むと、慶太は折角整えた髪をクシャリと握りつぶし、目元を覆い隠してしまった。
「見るなよ……」
困ったように顔を伏せられ、これには鈍い私もピンときた。
「もしかして、感動して声もない……とか?」
慶太はゴホンと咳払いすると、改めてウェディングドレス姿の感想を述べたのだった。
「綺麗だ……」
余計な糖分を取り除いた飾り気のないシンプルな言葉が心にグッときて、慶太につられるように顔が赤くなってしまう。
(しまった……!!)
甘いセリフを禁じたばかりに、こんなところに弊害が……。
いつもなら、どんなに美辞麗句を並べ立てられたって、ハイハイと軽く受け流すのに、これでは無視できない。