シュガーレスでお願いします!
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ああ、沖縄に来ているんだった……。
素晴らしい朝の目覚めだ。
けたたましいアラーム音ではなく、規則正しく押し寄せる波の音で目を覚ますと、ベッドから身体を起こす。
挙式を終えた安心感でぐっすり眠ることができて気分爽快だった。
顔に吹き付ける潮風を感じて辺りを見回せば、テラスに通じる窓が開いていて、海が見えるように配置されたソファには既に着替えまで済ませた慶太が座っていた。
「おはよう、慶太」
窓から身を乗り出し、海を眺めながらスケッチブックに熱心にペンを走らせている慶太に声を掛ける。
「おはよう、比呂」
「朝から何してたの?」
「良いアイディアを思いついたから、忘れないうちにメモしておこうと思って」
「ふーん」
私は慶太の座るソファの背もたれに手を置いて、後ろからスケッチブックを覗き込んだ。
エメラルドグリーンの海に触発されたのか、涼やかな色合いのケーキがいくつも描かれている。
慶太が持ち歩くスケッチブックには、沢山のケーキのアイディアがしたためられているが、試作品が作られ実際にお店に並ぶのはごくわずかだ。
「今日はどうする?どこに行く?」
ガイドブックを3冊も買っただけあって、慶太の口からは観光地の名前がスラスラと出てくる。
「行きたい場所があるんだけど……」
実は沖縄でどうしても行きたいところがあるんだ。
行き先をそっと耳打ちすると、慶太は心得たように頷いたのだった。