シュガーレスでお願いします!

「その体質と同じで、俺のことも無理だって決めつけないで欲しい。最初はお友達でもいいから」

……きっと、彼には最初から見抜かれていたのだ。

素直になるにはちょっとしたきっかけが必要だってこと。

私は口元に指を当てしばし逡巡すると、最後には観念してはあっと息を吐いた。

「……わかりました」

「やった!!」

「ちょっ!!苦しい!!」

有馬さんに大喜びで抱き着かれた私は、人目をはばからない彼に早速正義の鉄槌を下すのだった。

有馬さんの申し出を断らなかったのは、最初は単なる気まぐれだった。

しかし、お友達から始まった関係が、やがて恋人同士となり、生涯の伴侶となるのにそう時間はかからなかった。

私達が婚姻届を提出したのは、衝撃のプロポーズから数か月後の、梅雨の始まった6月のことだった。

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