シュガーレスでお願いします!
「もう!!からかうのはやめてっ!!」
渾身の攻撃を慶太はものともせず、もはや何をやっても藪蛇にしかならず私は恥ずかしさのあまりガイドブックで顔を覆い隠した。
まさか、酔っぱらった勢いでうっかり口を滑らせていたなんて……!!
なんで機嫌が直ったのか分からなかったけれど、そういう理由だったのか……。
(大輔さん、大当たりです……)
慶太の取り扱い方法について助言をくれた大輔さんに、遠い沖縄の地から拍手を送りたい。
「俺があげたネックレスも良く似合ってる」
慶太はさらにダメ押しとばかりに、最後の一手を繰り出してくる。
私は咄嗟に首から下げたネックレスを慶太から見えないようにトップの部分を握りしめた。
「こ、これは……!!せっかくもらったものだから……。つけないのも悪いし!!」
誰彼なしに言い訳を始めるも、既に手遅れだ。
ネックレスをしていたことにも気が付いていたのか?
新婚旅行も兼ねているわけだし、ちょっとくらいオシャレしてもいいじゃないか!!
「とにかく!!そう簡単には取り消さないから!!」
「しょうがないなあ……。比呂の気が済むまで付き合ってあげるよ」
どうして私が駄々をこねているみたいになってしまうんだ?
両者、和解とはならず助手席でむくれる私を乗せ、車は海沿いの道路をひた走るのであった。