シュガーレスでお願いします!

いたしかなく慶太と手を繋ぎながらしばし大水槽を眺めていると、ボスンと脚に何かがぶつかってくる。

「ママ〜!!」

そう言って、私の脚に抱き着いてきたのは一翔くんと同じくらいの男の子だった。

「どうしたんだ?」

しゃがんで目線を合わせて尋ねると、男の子は私の顔を見るなりビエーンと泣き叫んだ。

「ママじゃない……!!」

泣きじゃくる男の子から、断片的に聞いた話を繋ぎ合わせると、ヒトデに夢中になっている間に家族と離れ離れになってしまったらしい。

私の履いていたフレアスカートが母親のものと似ていて、間違って抱き着いてしまったようだ。

「どうしようか?」

「案内所に連れて行こう。家族も探していると思うし」

慶太はそう言うと男の子を抱きあげ、はぐれた家族が見つけやすいように肩車してあげた。

一翔くんとじゃれている時も思ったけど、ひとりっ子なのに子供の扱いが上手だ。

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