シュガーレスでお願いします!
「有馬さんにどういったご用件でしょうか?」
先ほどの気持ちの良い接客はどこに行ったのやら、高飛車で横柄な態度で威圧される。
私は内心動揺しながらも、自分自身の態度を反省した。
仮にも店の主である慶太を呼びつけるのなら、自分が何者であるかをまずはっきりと示さなければ不信感を抱かれても仕方あるまい。
「有馬慶太は私の夫です。彼と会う約束をしているので、呼んで頂けますか?」
なるべく丁寧な口調を心掛け面会を求めるも、彼女は人を小ばかにしたように鼻で笑ったのだった。
「困るんですよね。思い込みが激しい人が多くて~」
「はあ……」
どうも話が通じていないようで、首を傾げてしまう。
思い込みが激しいとはいったい何のことだろうか?
「自分が有馬さんと結婚しているだなんて妄想も大概にしてください。妻だって嘘をつけば簡単に有馬さんに会えるなんて思わないで」
「妄……想……」
彼女の言い分を聞き、私は呆気にとられた。
彼女は私の話に聞く耳を持たず、頭から嘘だと決めつけにかかっているようだ。
もしかして……慶太が結婚していることを知らないのか?
衛生上、慶太は仕事中に結婚指輪を外しているので、ありえない話ではないだろうが。
……それにしてもカチンとくる言い方である。