君への愛は嘘で紡ぐ
無邪気に笑う先生がなんだか可愛くて、私も釣られて笑ってしまう。


「小野寺さん、私の鞄からスマホ出してくれる?」


先ほど先生がどこにしまったかを見ていたため、小さな肩掛け鞄のポケットからスマホを取り出す。
そして先生に言われる通りに電話をかけた。


「笠木さん、小野寺です。今、どちらにおられますか?」


笠木さんが電話に出た瞬間、そう言った。
笠木さんとの通話を続けながら、笠木さんを探す。


「小野寺さん、玲生くん見つけた!」


先生の視線の先を見ると、あの特徴的な金髪が目に入った。
笠木さんに場所がわかったことを伝え、電話を切る。


「すごい荷物だな」


先生が持っている箱を受け取ってから、そうこぼした。


「小野寺さんが持ってきてくれたの。呼んでよかったでしょ?」


先生は靴を脱ぎ、レジャーシートの上に立った。


「……まあな」


笠木さんは小さな声で答えた。
先生から車の鍵を受け取ると、そのまま駐車場に向かってしまった。


「先生、手伝いに行かなくてもいいのですか?」
「いいの、いいの。こういうのは男に任せておくのが一番だから」


先生はシートの上でくつろぎ始めた。
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