君への愛は嘘で紡ぐ
笠木さんは心底理解できないというような、軽蔑とも取れるような目をしている。


「玲生くん、それは人を見る目じゃないよ」


先生はそう言いながら、鞄を箱に戻した。


「残ったらもらえばいいだろ」
「いいの?小野寺さん」


笠木さんに提案されて、先生は私のほうを見てきた。


先生が子供のように見えてしまって、思わず笑ってしまった。


「いいですよ」
「やった」


先生は手に持っていたカバンを隠すようにして、私が持ってきたものを並べ始めた。


「いい大人が……」


笠木さんは呆れたように零し、靴を脱いだ。


「いつまで突っ立ってんだ、お嬢様。早く座れよ」


言われるがまま靴を脱ぎ、シートの上に正座する。
土の感覚が直に伝わってくるようで、不思議な感覚だ。


すると、笠木さんの笑い声が聞こえた。


「お嬢様にはこういう場所、無縁だもんな。痛いか?」
「そ、そんなことありません!」


なんだか馬鹿にされたような気がして、無駄に大きな声で反論してしまった。
それのせいか、笠木さんはさらに笑う。


「小野寺さんのところだけ、別世界みたい」


先生は先生で、なにやら感動しているように見える。


「あー!レオ!」
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