君への愛は嘘で紡ぐ
「これは私が勝手に思ってることで、また玲生を苦しめるかもしれないから、聞き流してほしいんだけど……」


聞き流してほしいと言われると、できないような気がする。


「玲生がやりたいことを後悔しないように、自分の力でやっているところを見てて、私は玲生が死ぬ準備をしているように思えるの」


本当に聞き流せない。


たしかに後悔しないような生き方をしようって決めてるけど、それが死ぬ準備というつもりはなかった。


でも、そうか。
他人から見ると、そう思うのか。


「だから、玲生がもっと生きたいって思ってくれるなら、やっぱり好きな人を作ってほしいな」


それを最後に、お互い黙ってしまった。


どこかに寄る気分にもならなくて、まっすぐ帰ったから、家に着いたのは昼前だった。
インスタントラーメンを食べると、俺は自室にこもった。


ベッドに仰向けになって寝る。
カーテンが開いていなくて、電気が付いていない部屋は、昼でも薄暗い。


黙って天井を見つめていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。


スマホのバイブ音で目が覚める。
電話をかけてきたのは、汐里さんだ。


「……はい」
「玲生くん、ごめん!」


寝起きでいきなり大声を聞くのは、機械越しでもきつい。
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