君への愛は嘘で紡ぐ
Fourth Lie
週末明けの月曜日、早めに学校に行き、昇降口で笠木さんを待つ。


来なかったらどうしようとか、遅刻気味に来るのではとか、不安点はいくつかあったけれど、不思議と待つことは苦ではなかった。


待っている間、何人もの生徒に不審がられたけど、それでも笠木さんを待った。


「あれ、えん?どうしたの?」


遅刻気味にやって来たのは、瑞希さんだった。


「……おはようございます、瑞希さん。今日こそは笠木さんが来るような気がしたので、待っていたのですが……」
「来なかったんだ」


頷くと同時に、俯く。
すると、瑞希さん意外の靴が目に入った。


「遅刻する気か?お嬢様」


私をお嬢様と呼ぶのは、この学校では一人しかいない。


私は勢いよく顔を上げる。
そこには、待ち望んだ笠木さんが立っている。


泣きたくなるほど嬉しくて、笠木さんに抱きつきたい衝動に駆られた。
だけど、その思いをぐっと堪える。


「えんはあんたを待ってたのに、その態度はなくない?てか、お嬢様ってなに」


私が笠木さんに声をかけるより先に、瑞希さんが文句を並べた。
最後の質問に、私が動揺してしまう。


「言動がお嬢様っぽいからそう呼んでるだけ。お前がえんって呼んでるのと同じようなもんだ」
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