結婚してみませんか?
「恋ちゃ…ん…。」

顔を近づけた俺の首に両手を回し、そのまま恋ちゃんからキスをしてきた。

夢でも見ているのか…

しかし、俺の唇には恋ちゃんの柔らかい唇の感触がしっかりとある。

しばらくしてお互いの唇が離れると、俺は驚きのあまり、思わずパッと起き上がる。

恋ちゃんもゆっくり起き上がり、ニコッとして言葉を発した。

「ごめんなさい。我慢…出来ませんでした。」

「我慢?」

酒に酔っているのだろうか。目の前の恋ちゃんがいつもと違う雰囲気に見える。

「私にも人並みの性欲はあるんですよ。魅力ないかもしれませんが…私じゃダメですか?」

その瞬間、俺の中の理性の壁は粉々に砕け散った。

恋ちゃんを抱き寄せて激しめのキスをする。酔った勢いでも後から面倒くさい事になってもいい。

今はただ、恋ちゃんを抱きたい…。

「泣かれても、殴られても、もう俺止まらないから。」

それだけ言うと、もう一度恋ちゃんを布団に押し倒す。少し間を置き恋ちゃんの様子を見る。恋ちゃんは何も言わず笑みを浮かべていた。

そしてこの夜、俺たちは結ばれた…。

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