揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「わ〜檜風呂〜!」とはしゃぐレイさんは可愛い。
でも、ここまで来といて今更?と言われるのは百も承知だが。
レイさんと並んで裸になるのはあんまりだー!
もう少しダイエットしておけば良かった。
スタイル違いすぎて泣く……
そんな悲しみも束の間。
オーシャンビューの絶景露天風呂に感動して私の方がはしゃいでる。
地平線とほぼ一緒だよ!
そして隣には………
アップの後れ毛がセクシーで
ほんのりピンクの頬。
湯気のフィルター越しに見える色っぽい眼差しが何とも言えない。
見惚れていたら目が合って「撮る?」って言ってくれた。
急いでカメラを取ってきては構える。
あまりにも綺麗過ぎて思わず生唾を呑んだ。
2人きりの温泉で、今シャッターを切ってる。
これはのぼせなのか?
それとも緊張なのか?
もしくは……欲情なのか?
温泉に浸かるレイさんを見て、
うずくほどに強く欲しいと思う。
自分も湯船に入り近付いていく。
艶っぽい唇が……瞬きが……
全てが欲しくなる……
今は……今だけは従ってくれますか?
立ち上がるレイさんをそのまま撮り続ける。
細くしなやかな手がカメラを構える私の手に触れてきた。
顔を上げればもうあの視線に捕まっていて……
「誘ってその気にさせてよ」
「え……?」
「欲しいなら欲しいって言わないと。本能に従えって言ったでしょ?」
「そんなことしたら私……レイさんを困らせてしまいます」
「ふーん……私にどうしてほしいの?キス…?それともその先のこと…?」