揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
ダメな場合は楓ちゃんにわざと見つかるように仕向けてるのはここだけの話。
まぁ、襲ってる時もよく見つかって赤面にさせてきたけども。
楓ちゃんって面白いんだ。
いちいちリアクションがツボなんだよね。
可愛くてついイジメちゃうけど、大切な私の右腕なのです。
プロの道をしっかり地に足をつけて歩んで行ってほしい。
楓ちゃんが居たから私は伸び伸びとカメラに専念出来てきたんだ。
本当、感謝してもしきれないくらい。
一番信頼してるからこそ………
毎回驚かせてばかりで………
被写体になった人に言い寄られ、押しに負けて受け入れてしまう私の姿を何度見られたことでしょう。
段々とお互い慣れてきて無言で立ち去ってくれるようになった。
誰?
私を性欲オバケって言ったの。
余計なお世話だっつーの。
仕方ないじゃん、欲しいと思ったんだもん。
誰でも良いってわけじゃないのよ?
被写体として良かったかどうか。
惹かれるものがあったかどうか。
私自身が欲情するかどうか。
………だからね。
撮ってる間はどうにかこうにかスイッチは入れてるかな。
終わった後にグイグイ来られても興味がなければ相手にしない。
そんな時は楽屋に戻って寝る!
もしくは楓ちゃんを襲う…?
私、百合もいけるみたいだからそっちの方が気が楽だったり…?
逃げられるたび燃えたり…?
泣かれるたびオロオロしながらもキスの最中あんな顔されたら……ねぇ?
でもまぁ、最終的には男に抱かれる喜びを噛みしめてしまうんだけどね。
ないものねだり……でしょうか。
最近よく一緒に居るって楓ちゃんにも指摘されたんだけど………
たった一度だけ写真集の撮影で私を射抜いて来た人。
まだ若くて不慣れな感じだったけど良い意味で豹変してくれたから撮っててこっちも欲情した。
思いきり乱してきた。
彼の名は、相模原 駿。
まだ駆け出しの新人俳優だった。