揺れる被写体〜もっと強く愛して〜




「嘘じゃないよー」とかクスクス笑ってるからイチャつくカップルみたく「何だよー」って思わず水をかけてしまった。




そんな強くかけてないけどカメラと彼女の前髪にかかって慌てふためく俺。
「ごめんなさい…!」と近寄れば着ていたズボンにまで水しぶきがかかりテンパってしまう。




アシスタントがすぐタオルを渡しカメラも取り上げ拭いてくれてる。
前髪を拭きながらまだクスクス笑ってくれてるけどカメラが戻った彼女は、ごめんなさいと謝る俺の髪に触れた後ほっぺをプニッと摘んだ。




「大丈夫だよ、水中でも撮れるカメラだから」




「え、あ…そうなんだ」




ビビった………カメラ1台ダメにしたかと思った。
ホッとしたのも束の間。




「あ、このマヌケな顔も一枚撮っとこ」なんて言いながらカメラを向けてくる。
ちょっと、俺泣きそうなんすけど?
ズボンも濡らしちゃったし。




「はーい終了!このままスタジオいくよ〜!」




彼女の一声でロケーション撮影は終わった。
手を貸してプールから引き上げてくれる。




「お疲れさま、体冷やさないようにね?じゃあ後はスタジオで」




いよいよスタジオだ。
「着替える〜」とアシスタントの子に言いながら行ってしまった。




スタジオセットではスーツが用意されていて、新社会人になった彼氏が同棲してる部屋に帰って来て朝を迎えるまでの流れになってるらしい。
何気に俺、彼氏にしたいランキングで急上昇中だから。








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