揺れる被写体〜もっと強く愛して〜
「10円分飲んだんで」
あまりにも衝撃的過ぎて白目むきかけた。
フフン…って絶対俺をからかっている。
どうすんだよ、コレ……
「アハハ…!冗談ですよ?」
今度は携帯をかざしてもう一度缶コーヒーを買って手渡してきた。
すぐ横の長椅子に座りコーヒーを飲んでる。
「あ、明日返すから…いただきます」とひとつ分空けて座る。
いらないってまだ言ってる。
そうはいくか。
そんなことより………
「今がモテ期だと勘違いしてるみたいだが、ひとつだけ忠告しておくよ。変な男に言い寄られるのはこんなことするキミにも否はあるんだぞ?これはモテ期じゃなくあざとい…だ。ましてやキミがこんなことしたら誰だってその気になるんだよ、男ってやつは」
長い足を組んで頬づえしながらこっちを見てる。
チラッと目が合うけどこっちからそらしてしまった。
「ふーん……」
な、何だよ。
説教するなってか?
悪かったな、オッサンで。
「ま、今は右から左なんだろうけど痛い目にはあうなよな?」
そう言ってコーヒーを流し込む。
「え……じゃあ今ので、上川さんもドキッとしちゃったりしたんですか?」とか言い出すから吹き出しかけた。
「え、えぇ…!?」
スッと隣に来たりして
「ただの間接キスで?ドキドキした?え、私が若すぎて?」って質問攻め。
「か、からかうなよ…!俺、30だぞ?」
顔を隠したはずの腕に彼女の手が触れてて顔が近い。
あの瞳が目の前だ……顔が熱い。
「歳とか……関係あります?」
「え……?」
「変なとこ気にするんですね?」と体が離れたからホッとした。