想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory

「いきなりチームに引き抜くような真似をして、混乱させてしまったと思う。申し訳なかった」

こちらを真っ直ぐ見てそう告げられると、息が苦しくなってくる。

「いえ、そんな…」と反射的に無難な受け答えをしようとして、それじゃダメだと口をつぐむ。

佐倉さん、と思い切って顔を上げて、彼の視線を受け止める。
「どうしてわたしをご自分のチームに入れたんですか」と訊いた。

うやむやな状態で、仕事をしたくなかった。

「一つには、人手不足」間をおかずに返事があった。
「ありがたいことに、手がける仕事は年々増えて、規模も大きくなっている。手が足りなくて、ずっとアシスタントを探していたんだ。とはいえ、誰でもいいというわけじゃない」

「どうして、わたしなんですか」

佐倉圭介のチームで働くなら、挙手するひとはいくらでもいるだろう。